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2016年2月4日木曜日

青春の記憶

こんにちは、木曜担当の加藤です。

「あれ?昨日、前回のブログ書いたばっかりのような気がするけど。おかしいな」と、
ブログの故障を疑い、カレンダーを確認しました。

確実に一週間経っていました……。恐ろしい。

他の曜日のブログでも書かれていますが、現在、「俳句界」3月号の進行真っ最中です。
3月号の特集は「〝俳″を考える」と、もう一つ、「名句うらばなし」

中村草田男、岸風三樓、澤木欣一、野澤節子、寺山修司、北 光星、
宇佐美魚目、金子兜太、後藤夜半。
「名句うらばなし」では、さまざまな俳人たちの名句と、その句のエピソードなどが語られています。
小説や短歌でもそうですが、作者の当時の状況や、作品の背景を知ると、
こめられた思いに深く共感できたり、気付かなかった意図を知ることができる気がします。

特集でも取り上げられている寺山修司は、さまざまなジャンルでその世界を表現してきた人物。
高校1年のとき、背伸びをして彼の本を手に取った私は、すべてを理解することはできず、
「まだ自分には早いかな」と本棚にそっと戻したものでした。
しかし…同じ高校1年の時にはもう、寺山修司は多くの著名俳人に選ばれるほどの
俳句を詠んでいたのです!

今回、寺山修司の俳句を調べていろいろと読んでみたのですが、
想像していたものと少し違っていて驚きました。いくつか引用します。

お手だまに母奪われて秋つばめ

べつの蝉鳴きつぎの母の嘘小さし

古書売りし日は海へ行く軒燕

大揚羽教師ひとりのときは優し

山鳩啼く祈りわれより母ながき

口開けて虹見る煙突工の友よ

生きてきた時代も育った環境もまったく違うのに、彼の俳句の中にある、
もどかしく、複雑で、感傷的な何かが、私の記憶とリンクするのです。
それは誰もが通ってきた、大人になる前の「青春」の記憶なのかもしれません。



話は変わりますが、
第55回俳人協会各賞が発表され、

俳人協会新人賞に藤井あかりさんの『封緘』 (文學の森)、
俳人協会評論賞に依田善朗さんの『ゆっくりと波郷を読む』 (文學の森)が受賞されました!





文學の森より発売中です!
よろしくお願いします。



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